竹永 亮(昇格論文の書き方①)

竹永 亮(昇格論文の書き方①)


論文とは、意見を述べて議論する文章です。具体的には、自分の考えを端的かつ論理的にまとめたひとくくりの文章です。中小企業診断士の第二次試験では、設問ごとに100~200字の小論文が、1事例ごとに合計600字程度の字数が要求される小論文形式が採用されています。
単に論文といった場合には、一般に、学術論文のことを指す場合が多いのですが、会社に勤務している方が業務でお書きになる論文を、ビジネス論文といいます。特に、昇格試験の際に書く論文を昇格論文といいます。
学術論文についてはさまざまな参考書が売られていますし、入手もしやすいのですが、ビジネス論文、特に昇格論文の書き方について書かれた参考書はほとんど存在しません。そこで、何回かに分けて、テーマを昇格論文に限定し、書き方のノウハウを体系的・網羅的に整理してみましょう。
このブログをご覧になっている方の中にも、昇格論文を書かなければならない方、逆に評価しなければならないお立場の方、あるいは、人事部などで昇格論文制度そのものの運営をされている方がいらっしゃると思います。各々のお立場・視点に立ち、参考にしてください。また、この件についてコンサルティングを希望される方は、別途、ご連絡ください。

1.昇格論文の3つの特徴

昇格論文が学術論文と違うのは、次の3点です。
① 全体の文字数が少ない
② 自分の考えを経営者・管理者に伝えることが目的である
③ 科学的な実験データは必要ないが、理由と根拠の提示は必須である
この3点について、もう少し詳しく見てみましょう。

(1)  全体の文字数が少ない
第1の特徴は、「全体の文字数が少ない」という点です。
昇格論文の要求字数について、一概に「何文字くらい」と表現するのはちょっと無理があります。昇格試験の階層・レベルによって差があるからです。

一般に、部長昇格試験や課長昇格試験の場合には要求字数が多く、3,200字程度が普通です。主任昇格試験や係長昇格試験であれば、要求字数は少なく、800~1,600字です。標準字数が400の倍数になっているのは、指定の用紙が原稿用紙となっていることが多かったことの名残です。最近では、ワープロで作成した論文も認めている企業が増えています。A4用紙に換算すれば、A4用紙1枚あたり1,200字程度ですから、原稿用紙3枚分に該当します。

いずれにしても、数十~数百頁に及ぶ学術論文に比べると、昇格論文の総文章量は圧倒的に少ないのが、昇格論文の特徴です。

文章量は少ない方が楽だと考える方が多いのですが、実際に書いてみると、実は、短いほど難しいと感じる方が多いものです。極端な例ですが、17字でまとめあげなければならない俳句、数行で起承転結をはっきりさせなければならない『天声人語』(朝日新聞)や『春秋』(日本経済新聞)、数百字でまとめあげなければならない新聞の社説など、短い文章をまとめるためには、高度なセンスとテクニックが必要となります。
学術論文の場合でも、冗長な表現や無駄な言葉を省略するのが大前提ですが、より短い文章構成を要求される昇格論文の場合、この条件はよりシビアです。

<以下、次回に続きます>

2010年9月7日

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