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竹永 亮(会社法Q&A 設立⑪)


前回の続きです。
Q.会社の不成立と設立無効の訴えはどう違うか?
A.会社の不成立とは、定款の作成後(すなわち、設立手続には入っていることになる)、何らかの事情により、設立登記(成立、設立手続の終了)にまで至らず、設立が途中で挫折することである。㈰設立時発行株式の払込みがない場合、㈪創立総会で設立廃止が決議される場合等に、会社は不成立となる。
これに対し、設立無効の訴えとは、株式会社が設立登記により成立しても、設立が法定の要件を満たさず無効になる場合に行われる主張である。会社法における設立無効は、民法における無効の一般原則とは異なり、①設立の無効は、設立無効の訴えによらなければ主張できない、②無効の効果は遡らない(したがって、会社は初めからなかったことにはならず、解散の場合と同様に清算手続が必要となる)、③無効の効果は第三者(世の中一般)に対して効力を持つ(対世効)(838条)(普通の判決は、相対効であり、当事者にしか効力が及ばないのとは対照的である(民事訴訟法115条1項1号))。
なお、主な設立無効の原因は以下のようなものが考えられる。
① 定款の絶対的記載事項に重大な瑕疵があった場合
② 設立時発行株式を1株も引き受けなかった発起人がいた場合
③ 公証人による原始定款の認証がなかった場合
④ 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額以上の出資がなかった場合
⑤ 募集設立の過程で創立総会が開催されなかった場合

次回からは株式についてのご質問にお答えいたします。

<次回に続く>

2012年5月21日

竹永 亮(会社法Q&A 設立⑩)


前回の続きです。
Q.登記の効果(効力)は「会社の成立」と理解しておいてよいか?
A.会社は登記により設立が完了する。登記の最大の効果(効力)は設立の完了、すなわち、会社の成立である。しかし、派生効果がいくつかある。整理しておこう。
① 設立中に会社に生じた法律効果は成立した会社に帰属する。
② 出資を履行した者(設立時株主という)が株主となる。
③ 発起人は任務を終了する。
④ 設立時取締役等が取締役等となる。

<次回に続く>

2012年5月20日

竹永 亮(会社法Q&A 設立⑨)


前回の続きです。

 

Q.募集設立の場合、創立総会は1回だけ開催されるものであるか?
A.1回だけとは限らない。発起人は、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる(65条2項)。募集設立の場合、設立時取締役等の選任は、創立総会決議によって行われなければならない(88条)。また、設立時取締役等は、一定の事項について調査し、調査の結果を創立総会に報告しなければならない(93条)。創立総会が1回だけと定められていたのでは、これらを一度にできないだろう。

<次回に続く>

2012年5月19日

竹永 亮(会社法Q&A 設立⑧)


前回の続きです。

Q.設立時取締役と取締役はどのような点で異なるか?
A.設立時取締役は、「会社の設立に際して取締役となる者」あるいは「会社が設立すれば取締役となる者」である(定義)。会社設立時には、発起人が存在するため、設立時取締役は、会社が成立し取締役になるまでの期間、発起人に対する監督機関に相当する。したがって、設立時取締役は、選任後遅滞なく、一定の事項について調査しなければならない。なお、設立しようとする会社が監査役設置会社の場合には、設立時監査役も調査義務を負う。

<次回に続く>

2012年5月18日

竹永亮(時間を作る。それだけ。ただ、それだけ)


今日はまだ会社です。
さきほど、ある中小企業診断士受験生の方のカウンセリングを担当しました。
会社に受験生であることをカミングアウトし、時間を確保。

早朝学習は諦め、

① 朝の通勤中に 40分
② 昼食は一人で過ごし 1時間
③ 帰りの電車で  40分
④ 22時から24時まで 第1部 2時間
⑤ 24時から26時まで 第2部 2時間

…と、1日に6時間20分を確保していらっしゃるとのこと。

土曜はお子さんの面倒もを見るためにまとまった時間は確保できず、日曜日は奥さんがお子さんの面倒を見る日なので学習時間が確保できるとのことでした。

「竹永さん、日曜は何時間くらいやるべきでしょうか」

「14時間いきましょう。朝8時から夜10時まで。実際には、食事や入浴で正味12時間…いかがです?」

「そうですね、それくらいやるべきですよね」

「ちょっと忙しいプロジェクトチームなら14時間拘束くらい普通でしょう? その意気で8月頭までやっちゃいましょうよ」

「了解です。がんばります!」

「無理はしないでくださいよ。計画の7割できれば「御の字」ですからね」

ご本人の許可を頂いた上で情報をアップしています。
以前にお話しした「覚悟」…のできている方です。
こういうカウンセリングはこちらもワクワクしますね。
合格をお祈りします。

学習の遅れている方…
とにかく、時間をひねり出してください
私からのアドバイスなど、つまるところ、それだけ。それだけなのです。

2012年5月17日

竹永 亮(会社法Q&A 設立⑦)


前回の続きです。

Q.財産引受けと事後設立はどこが違うか?
A.財産引受けとは、変態設立事項のひとつであり、発起人が会社のために会社の成立後に特定の財産を譲り受けることを約束する契約である。原則として、裁判所が選任する検査役の調査を受け、その結果に基づき、定款変更しなければならなくなる。会社に「不当に高くつくお買い物」をさせないようにするための規定である。
これに対し、事後設立とは、会社成立後2年以内に、成立前から存在する財産で事業のために継続して使用するものを会社の純資産額の5分の1以上に当たる対価で取得する契約を締結する場合をいい、株主総会の特別決議による承認を得ることを要する(467条1項5号、309条2項11号)。これも、財産引受け同様に、会社に「不当に高くつくお買い物」をさせないようにするための規定である。2年以内というのは、人間でいえば未成年にあたる時期と考えてよい。成立後2年以内の会社は未成熟であり、このような規定が必要とされているということである。ただし、検査役の調査は廃止されたため、不要である。
両者とも、現物出資に関する規制の潜脱を防ぐための規制である点では共通しているが、①財産引受けは、会社成立時の話、原則として検査役の調査が必要、②事後設立は、会社成立後2年以内の話、検査役の調査は不要という違いがある。

<次回に続く>

2012年5月17日

竹永 亮(会社法Q&A 設立⑥)


前回の続きです。

Q.公告方法は相対的記載事項と考えてよいか?
A.文献によっては任意的記載事項としている場合もあるが、神田教授・江頭教授ともに、著書のなかで、相対的記載事項に分類している(『会社法(第九版)』(神田秀樹著 弘文堂)、『株式会社法』(江頭憲治郎著 有斐閣))。試験対策上はこちらでインプットしておいて問題ないだろう(異説=任意的記載事項説があることは承知しておいていただきたいが)。

<次回に続く>

2012年5月16日

竹永 亮(会社法Q&A 設立⑤)


前回の続きです。

Q.発行可能株式総数は絶対的記載事項といえるか?
A.絶対的記載事項は、会社法27条に列挙されている。

(定款の記載又は記録事項)
第二十七条  株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一  目的
二  商号
三  本店の所在地
四  設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五  発起人の氏名又は名称及び住所

しかし、実際には、これに、発行可能株式総数(37条)を加えている文献が圧倒的に多い。

(発行可能株式総数の定め等)
第三十七条  発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

37条1項に「成立のときまでに」とあるため、発行可能株式総数は、公証人の認証を受ける時点で定款に記載されている必要はないが、会社の成立、すなわち、登記の時までに、㈰発起設立では発起人全員の同意、㈪募集設立では創立総会の決議により定款に定めなければならない(37条1項、98条)。

<次回に続く>

2012年5月15日

竹永 亮(生産・技術に関する事例への取り組みについて)


この土日、午前中は「マーケティング・流通に関する事例」を、午後は、「生産・技術に関する事例」のアウトプット講座(答案練習講座)を担当させていただきました。参加いただいた受講生の皆様、本当にお疲れ様でした。
解説講義担当講師として一番気になったのは、要求字数の少なかった「生産・技術に関する事例」のほうが、要求字数の多かった「マーケティング・流通に関する事例」の答案よりも、空欄が目立ったことです。
1問丸々の空欄はどんなに採点基準が高くても得点にはなりません。なんとか1文字でも多く埋めたいものです。予見の丸写しでもいいから、最後は埋めてみましょう。

空欄になってしまう理由は何でしょうか。

答えは簡単です。キーワードが出てこない。これに尽きると思います。マーケティング・流通に関する用語はビジネス上なじみがある方が多いのに対し、生産・技術に関する用語はまだまだ瞬間的に出てこない方が多いのです。そのため、鉛筆が止まってしまうのです。

娘(中一)が通っている塾講師の方が、「語彙力のある子は、中1・2でも英検2級(高卒レベル)、文法やら構文やらがわからなくても、通っちゃうんですよ。陳腐な言い方になりますが、試験レベルの英語だと、なんだかんだいって、単語力に尽きるんですよね」とおっしゃっていたのですが、中小企業診断士の試験でも同じことが言えます。キーワード(重要用語)・テクニカルワード(専門用語)がすらすらと出てくる方は、1次試験にも。2次試験にも強い力を発揮できます。

この週末、「生産・技術に関する事例」で苦い想いをした方は、徹底的に生産管理に関する用語を復習し、来る第2回全国公開模擬試験、そして、8月の本試験に臨んでください。
自分を信じて、学習を継続しましょう。

2012年5月15日

竹永 亮(会社法Q&A 設立④)


しばらく間が空いてしまっていましたが、会社法についていただいていた質問への解答です。

 

Q.定款とは規則そのもののことか? それとも規則が書かれた文書のことか?

A.両方である。定款とは、通常、団体や法人の組織・活動を定める根本規則を指すが、これを記載した書面(会社法では、電磁的記録で作成した場合には、その情報を記載したファイルを含む)を指す場合もある。定款は、2つの意味を持つ。

2012年5月14日

お知らせ

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このたびTBC受験研究会-必勝受験アドバイスは、クイックマスターオンラインとなりました。
今後ともTBC受験研究会をどうぞよろしくお願い致します。