2016年3月4日

NHK「資格☆はばたく 中小企業診断士」の舞台裏

舞台裏から見た中小企業診断士のTV収録

中小企業診断士業界大手11団体を代表する「トップ講師&トップコンサル」の選抜で、弊社の山口正浩が、みごと4週間の代表司会講師に選ばれました。中小企業診断士が冠についたTV番組は、中小企業診断士の資格制度が始まって以来、初めてのことです。究極のプレゼンの舞台の一つであるTV収録に、勉強も兼ねて同行しました。ここでは一般に知ることができない、TVでは放映されなかった、収録の舞台裏について紹介します。(カメラ・文責 矢田木綿子)

対談タイトル
はじめに

都内某所(経営教育総合研究所セミナールーム)で、岩瀬講師と上記テーマについて対談がありました。

岩瀬:山口先生お疲れ様です。最近、私も大学の講義や企業研修が忙しくて、中々お会いできず、ご無沙汰しております。今回は、私自身のキャリアアップのためにも一度伺っておきたかった内容のため、ぜひよろしくお願いします。
山口:こちらこそよろしくお願いします。岩瀬さんも最近は4つの大学を掛け持ちして講義しているから、多忙な日々でしょう。今回の内容が岩瀬さんのキャリアアップの一助となればうれしいです。
岩瀬:率直に伺いますが、なぜ、NHKの司会者に選ばれたと思いますか?やはり、多くの企業でのコンサルティングや受験校の講師としてのキャリアが認められたからでしょうか?
山口:そうですね、私自身、電話で番組の企画をいだだき、「面接をさせてください」とディレクターの方から連絡があったときは、「また営業の電話かな」と半信半疑でした。「クイズが何とか」と電話口でいっていたので、番組に出演してクイズに答えるだけかなと思っていました。面接当日、ディレクターが弊社に来た時には、「本当に来たんだ」と驚きました。特に担当のディレクターは、同じ歳ということもあり話も弾み、面接というより、本当にざっくばらんに、講師のキャリアやコンサルタントとしての活動、執筆した本の内容などについて、質問を交えながら話した2時間半でした。2週間ぐらいして出演決定の連絡があり、「何で選ばれたのか」と伺ったのですが、その時には明確に答えてくれませんでした。
山口:そうこうしている間に、番組の収録が始まり、全4回の番組の司会者として収録していくと、収録後に食事に行ったり、台本の調整のため休日に電話で調整したり、いろいろ情報交換しているうちに、ディレクターやTV局の方とは仲良くなり、なぜ選ばれたのかがだんだんとわかってきました。最後の打ち上げの際、出演の判断が「客観性」だったことがわかりました。
岩瀬:「客観性」ですか。難しいですね。
山口:今回は、聞くところによると、中小企業診断士業界の主要11団体からの選抜でした。もちろん選抜された先生方の中には、私よりも良い講師やコンサルタントの方はたくさんいらっしゃったと思います。そんな中で、司会者として選ばれたのですが、私が選ばれたということは、担当者が10名の方に、選ばれなかった旨の連絡をしなければならなかったと思います。私が選ばれなかったら、今後のためにも何で選ばれなかったのか聞いていたと思うので、他の先生方の中にも、納得する理由を求めていた方がいたかもしれません。
岩瀬:そうですね、私だったら選ばれなかった理由を聞きたいですね。
山口:それは当たり前のことでしょう。そのとき、説明されて自分と比較して、選ばれる理由が明確なら納得すると思います。「客観性」の高い理由ならば、なおさらでしょう。
岩瀬:ここでの「客観性」とは、具体的にどのようなことでしょうか。
山口:いろいろやり取りをしている中でわかったことは、まず「講師としてのキャリアと実績」、次に「中小企業診断士以外の方から見てもわかる実績」、最後に「コンサルティング実績」です。
講師としてのキャリアと実績について
IMG_1589 岩瀬:「講師としてのキャリアと実績」の決め手は何でしょうか。ここは今後のためにも聞きたいですね。
山口:まず、講師歴ですね。私自身、今44歳ですが合格したのが24歳で、それからTBC受験研究会でずっと講師をしています。気づけば講師としてのキャリアは業界で1、2位を争うほど長くなっていました。あと、ディレクターが印象に残ったといっていた、法定研修の講師もポイントが高かったと思います。
岩瀬:法定研修とは理論政策更新研修の講師ですよね。
山口:そうです。理論政策更新研修の講師です。特に中小企業診断士の方に教えることができる講師であることが大きかったと思います。
岩瀬:中小企業診断士として登録していても、コンサルティングの実績がなければ、法定研修の講師になれないことは知っています。たしか、時間がかかるとか聞いてます。
山口:私が代表の(株)経営教育総合研究所が、経済産業大臣から認定された理論政策更新研修の法定研修機関だから、制度のことは詳しいです。 厳密には、法定研修機関が次年度の計画の際に中小企業庁に法定研修講師を登録します。その際に申請した講師がキャリアの要件を満たしていないと、落とされてしまいます。 反対に、登録されると中小企業庁がOKしたという意味で、客観的に中小企業診断士登録者に教えることができる講師としてのキャリアが認められたことになります。
岩瀬:国のお墨付きは大きいですね。一般的な企業の研修講師の実績は、どのように評価されていましたか。
山口:面接では、コンサルティングや企業研修についても話しました。しかし、当時の私の研修先は中小企業ではなく、上場企業の研修が中心で、今回の企画とはミスマッチでしたが、大手企業での実績=(イコール)プレゼン能力が高いという客観的な評価になったと思います。
岩瀬:確かに当時、先生の研修には、多数同行させていただきました。上場企業の役員会の講演や、支店長や営業部長の研修、課長や課長補佐、役員候補者研修など、本当にさまざまな階層の講演や研修を担当していましたね。その節はとても勉強になりました。先生から見て当時の研修の中で印象に残っているものはありましたか?
山口:プレッシャー感や緊張したという研修は、従業員10,000人超規模の大手食品メーカーでの役員・支店長会議での講演と、静岡銀行様主催の静銀シップMBA講座ですね。前者は、世界中に展開する大手メーカーで、会議では役員の方々と、当時25支店の支店長の方、本社の幹部の方々合わせて、200名以上の精鋭の前での講演という状況でした。さらに緊張感をひと押ししたのが、事前に本会議での講演は、ファミリーマートの社長に次いで2人目だよと聞いたことでした。大勢の拍手で本社会場に入場したときは、緊張したけど、講演中はいつも通りに進められ、私自身とても勉強になりました。後者の静銀シップMBA講座は、講師として有名なコンサルタントの小宮さんなどと、一連の日程の研修だっため、出席された70名の社長様は目が肥えているだろうと、自分自身でプレッシャーをかけていました。当日は、私自身勉強になっただけでなく、研修後に催された懇親会は、数社の社長様からコンサル依頼をいただき、営業的にも良かったと思える講座でした。
岩瀬:この研修には同行しましたが、懇親会は大盛り上がりで、特に工務店の2代目の方とドラッグストアチェーンのオーナーの質問が長引いて、新幹線の時間が危なかったのを覚えています。ありがとうございました。次は気になる「中小企業診断士以外の方から見てもわかる実績」について教えてください。
中小企業診断士以外の方から見てもわかる実績
IMG_1873 山口:これは、全国区の番組ならではの判断基準でしょう。今回の番組は、中小企業診断士を目指す方だけでなく、NHKという放送局の性質上、北は北海道から、南は九州・沖縄まで同時間帯に時間差なく視聴できました。当時は、従業員10,000人超規模の大手食品メーカーのチャネル戦略のコンサルティングをしていたので、沖縄営業所の部長や北海道支店の営業の方から、同時に「見てるよ〜」と応援メールが来ました。中小企業診断士試験に興味がないクライアント企業の方も大勢見てくれたため、視聴率にもかなり貢献できたと思います。 私も放映時間に、自分の映像を家族と見ながら、元試験委員の仲の良い大学教授や、当時教壇にたっていた大学の他専攻の教授の方とチャットをして、自分自身をいじっていました。 話が飛びましたが、今回のTVで紹介された講師を見て、中小企業診断士試験にチャレンジしようと思った方が 書店に行き、書籍を探してみたら、その先生の書籍が全くなくて、他の先生の書籍ばかり陳列されていたらどのように思うでしょうか?
岩瀬:そうですね私ならTVの先生は、本当に中小企業診断士業界の代表講師なのかなと疑ってしまいます。
山口:岩瀬さんの考えるとおりです。選んだ側は、仮にそういう声がクレームとしてあがってきたらとても困ります。 そこで、単純に受験校の講師としてだけの知名度ではなく、執筆書籍も含めた「客観的」な実績が必要だったのでしょう。視聴者が中小企業診断士試験のコーナーに行き、書棚を眺めた時、私の名前がシリーズであれば、安心して、さらに期待して次週の番組も視聴するでしょう。そういえばディレクターの面接では、中小企業診断士の受験参考書の他に、ビジネス書の執筆実績についても質問されました。ちょうどその頃、日経MJ新聞で「マーケティングスキル」の連載をしていたため、客観性という意味で、新聞の連載が大きな決め手になったと思います。どうしたら新聞の連載ができるのかは、先日、岩瀬さんも講師として参加したライティングセミナーでお話ししているとおりです。
岩瀬:そうですね。ここで、この前のライティングによる自己ブランディングを確立するための新聞連載が活きてくるわけですね。
山口:先日、岩瀬さんも講師として参加したキャリアアップセミナーとライティング講座でお話ししたとおり、中小企業診断士の資格は工夫次第でコンサルタント以外にも可能性が大きく広がる資格ですが、最初の3年間で、誤ったキャリアアップの方向に舵を取ってしまうと、挽回がむずかしく、自分が目指している“本当のゴール”に向かっていくとき、遠回りになってしまいます。
コンサルティング実績について
IMG_1609 岩瀬:先生は若いとき合格して、現在、コンサルタントで活躍していますが、当初より上場企業の研修やコンサルティングの依頼がたくさん来たのですか。私が一人で営業していると上場企業のような大企業からの依頼は、なかなか来なくて、中小企業が中心です。まあ、中小企業診断士なので、中小企業がメインということは、悪くないことですけど。最後に、「コンサルティング実績」について教えてください。
山口:私の場合は、就いていた先輩の先生がコンサルタントで、とても人気のある先生だったから、その先生に依頼があった時にしっかり同行し、コンサルティングスキルを磨きました。もう引退されましたが、その先生には、中小企業よりも上場企業からの研修やコンサルティングの依頼が多く、私にも徐々に紹介してもらったため、コンサルティング先がおのずと上場企業となりました。ただ、その先生と同行すると、クライアント企業様から経歴書の提出が求められ、経歴書がだめだと同行できないことがありました。そんな中で、同行のチャンスが増えたのは、4段階型の職務経歴書を意識してキャリアアップしたからです。私自身、当時のTBC受験研究会で合格して、すぐに先輩の先生から定期的に執筆を依頼されたのが、いまにつながったと思います。面接では、中小企業のコンサル実績だけでなく、ディレクターも知っている上場企業のコンサル実績があったことが、大きなポイントになったと思います。
岩瀬:やはり、キャリアアップセミナーで伺った、4段階型の職務経歴書の作成を考えたキャリアアップが重要だということですね。私もこれからさらに職務経歴書をグレードアップすべく頑張っていきたいと思っています。本日は、お忙しいところありがとうございました。
山口:がんばってください。こちらこそ、ありがとうございました。